ウツから抜けるまで

ウツっぽさを抱えながら働く会社員が考えたことをまとめるためのブログ

心の中の世界

本記事のテーマ

うつ病の人は、人生における目標を立てにくい。調子が良いときと悪いときの差が大きいからだ。調子が良いときに立てた目標は、悪いときからしたら巨大すぎる。一方、調子が悪いときに立てた目標は、良いときから見ると物足りない。

そんなことを考えていた時に、うつ病の人は、目標を複数立てれば良いのではないかと思いついた。

今回の記事で、うつ病の人は、調子の良いときと悪いときでそれぞれ別個の目標を持つことを提案したい。

うつの人が生きる世界

先ほど、うつの人には調子が良いときと悪いときがあると書いた。しかし、本人の感覚からしてみると、調子が良いときと悪いときは、もはや違う世界である。

例えば、調子が良いときというのは、色々なことができる。このとき、調子が悪かった時の自分の感覚を思い出すことができない。一方、調子が悪いときは、調子が良かった時のようにテキパキと行動することができず、本当に調子が良かったときなんてあったのかという気分になる。

だから、今後は調子が悪い・良いということの連続性のなさを表現するために、「世界」という言葉で捉えていきたい。

私の場合、調子が良い・悪いの2つの世界を図1のような感じで捉えている。

図1:心の中の世界

あくまでも私の場合であるが、調子が良いときは出世したいなどの俗っぽい欲求を私は持っている。しかし、調子が悪いときは、出世のことなど考えられず、ただひたすら死にたいとか、何もかも放り投げて逃げ出したいと思っている。

目標を立てることの難しさ

私の場合ではあるが、図1に書いた2つの世界は分断されている。つまり、「社会的ステータスを求める世界」にいるときは、「まともな生活をできることを求める世界」のことを忘れている。逆もまたしかりである。

そのため、ある片方の世界で立てた目標は、もう一方の世界を生き抜くのに合致していない目標となってしまう。例えば、「社会的ステータスを求める世界」にいるときに立てた目標「毎日勉強する」は、「まともな生活をできることを求める世界」にいるときは遥か彼方遠くの目標に感じられてしまう。

目標を立てる難しさとは、目標を立てる瞬間に自分がいる世界の事情しか考慮できず、目標を立ててしまうことにあると私は感じている。

どうやってクリアするか

それぞれの世界に応じた目標を立てることでクリアする。例えば、「社会的ステータスを求める世界」に自分がいるときの目標を「毎日勉強する」と設定したとする。このとき、一緒に「まともな生活をできることを求める世界」にいるときの目標も立ててしまうのである。その例として、私は「通っているクリニックから処方された薬を毎日飲むこと」を設定している。(図2)

図2:各世界の目標とアクション

世界ごとに目標を立てて自分がどうなったか?

世界ごとに目標を立てることで、非常に楽になった。

以前は「まともな生活をできることを求める世界」にいるときでも、「社会的ステータスを求める世界」の目標が常に頭の中にあった。そのため、「今日は目標達成のためのアクションを取れていない。自分はもうダメだ!!」と思い、より自分を追い込んでいた。

しかし、今は世界ごとに目標を立てることで、「今日は『まともな生活をできることを求める世界』にいるのだから、それに合わせたハードルの低い目標を達成できれば良いのだ」と思えるようになったのだ。

うつに悩んでいる皆様も、自分に合った目標を複数立てておき、その日の気分や調子に応じて達成しようとする目標を変えてみるのはいかがでしょうか?